二重全切開手術後のお悩み別の修正ケース

二重前全切開手術後のお悩み別の修正ケースを簡単に解説しています。

二重全切開の修正のパターン別修正方法

  • 幅が狭い場合
  • 幅が広い場合
  • ハム目になった場合
  • 目が開かない
  • 傷跡が目立つ、ガタガタしている
  • 左右差が目立つ
  • 二重ラインが浅い
  • 二重ラインが複数本になっている
  • 目が開き過ぎている、びっくり目になってしまった。

各、目のイラスト付きで説明。

①幅が狭い場合

二重切開をした後に幅が狭いと感じた場合、今の二重ラインより広い幅で切開を追加する事で修正する事が可能です。

幅を広げるためには余った皮膚を切除したり、二重ラインの固定位置を上げたりして形を整える事で希望の幅まで広げられる事が多く、比較的ダウンタイムも短く修正ができます。

②幅が広い場合

二重切開をした後に幅が広いと感じた場合、これを修正するにはかなりの手間と時間がかかります。

幅が広いとひと言で表現されますが、その中には幅が広くなった理由がいくつかのパターンに分類され、治療法もそれぞれ変わってきます。

1.医原性眼瞼下垂を起こしている

このタイプは目の開きが悪くなった事で二重幅を広く感じているため、眼瞼下垂手術で眼瞼下垂を改善しなければどんなに二重の形を修正する手術をしても改善できません。

二重幅を広げただけでも眼瞼下垂を起こす方もいらっしゃいますし、特に目の内側が狭くなって相談にいらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

2.ハム目になっている

二重ラインと睫毛の間の皮膚や筋肉が多く、ここの処理が甘いと二重幅が不自然に広く見えてしまいます。

特に二重手術の経験が少ない先生が起こしやすく、形成外科専門医でも眼瞼下垂手術の経験しかない場合はこのハム目が頻繁に起こります。

原因となっている皮膚、眼輪筋の処理をする事で改善する場合もありますが、時に眼瞼下垂手術を併用する事があります。

3.二重ラインの固定位置が高い

二重ラインは眉毛側の皮膚と睫毛側の皮膚、それらを食い込ませる挙筋腱膜の3点が合流する部分で決定されます。

眼輪筋や皮膚の量、眼窩脂肪の量や隔膜の構造など様々な要因が関与し、三方が引っ張り合った緊張が均衡を保った場所に二重ラインが形成されるのですが、特に挙筋腱膜の位置が高い場合は、睫毛が上を向きすぎたり、結膜が露出したり、不自然に幅が広くなった二重になってしまいます。

現在固定されている挙筋腱膜の位置を下げる処置を行い、瞼板に無理やり付着している睫毛側皮膚の解除を行う事で自然な二重を取り戻す事ができます。

4.皮膚が足りない状態で幅広になっている

皮膚をたくさん切除されて二重が幅広になっている場合は、複数回の手術が必要になる場合が多くあります。

まず二重ラインより上の皮膚を増やさなければならないため、現在の二重ラインよりも狭い位置で切開を行い、現在の二重ラインで食い込ませない処置を行います。

眼窩脂肪移動術や吊り上げ術というのがそれらの方法になります。

二重ラインより上の皮膚量を稼ぐ事ができれば、一旦狭い二重幅にする事ができるためこのまま半年程度経過を待ちます。

以前の二重ラインが消失し、狭いラインで二重を作ることに成功できたら、そこから改めて希望の二重ラインを作るために二重を広げる2回目の手術を行います。

一回の手術をした後は半年間待つ必要があるので完成までに1年程度かかります。

③ハム目になった場合

切開法後にハム目になってしまった場合は、二重ラインと睫毛の間の組織処理が不十分だった場合や希望の二重幅が広すぎた場合が考えられます。

二重修正で一番多い相談の一つになりますが、とにかくその方の挙筋の能力や瞼板に付着している眼輪筋の距離などによりどうしても二重幅を広くすると不自然になってしまう場合があります。

あなたの幅ではここまで広い二重を作れない、と説明された場合、自然さを求めるのであれば控えめな二重に修正する事が肝要です。

それでも広い二重幅を求める場合は不自然さは避けられないと思った方が良いです。

皮膚や眼輪筋の処理を行い、適正な二重幅に修正する事で改善が可能となります。

④目が開かない

切開法の後に目が開かなくなった場合、医原性眼瞼下垂症を疑います。

これは二重手術の際に、目を開く眼瞼挙筋になんらかの損傷を来したか、挙筋腱膜を誤って切ってしまった場合が考えられます。

稀にミュラー筋という目を開く筋肉のサポートとして働く筋肉に損傷がある場合も経験しました。

挙筋腱膜が単純に切開された眼瞼下垂であれば、切開された腱膜を修復するだけで修正できます。

眼瞼挙筋を切られた場合、挙筋や腱膜の修復だけでは瞼が十分に開かない場合が多々あります。挙筋機能を評価して、介在する組織を十分に処理し、適正な位置で眼瞼下垂手術を行う事で改善される場合もありますが、挙筋機能が消失している場合は前頭筋で瞼を持ち上げる前頭筋吊り上げ術を必要とします。

ミュラー筋まで損傷が及び、目を開く機能が残っていない場合は前頭筋吊り上げを行う必要があります。前頭筋吊り上げには大腿筋膜、長掌筋腱などの自家組織やゴアテックスなどの人工物を使用します。

⑤傷跡が目立つ、ガタガタしている

二重切開後に傷が気になる場合、単純に傷跡が汚くてガタガタしているのか、二重の食い込みが強くて目立つと感じているのかを評価する必要があります。

二重の傷跡が汚いだけの場合、その傷を切除して縫い直す事で綺麗に仕上げる事ができます。

難しいのは目をつぶっても食い込みが目立つ場合です。

二重の形成にはそもそも食い込みが必要なのですが、理想的には目をつぶった時に食い込みがなくなり、目を開くと同時にしっかり食い込む二重ができる、という状況です。

しっかり食い込みができるためなは目を開く力が十分な強さを持っている必要がありますが、この力が弱くしっかり食い込まない方もいらっしゃいます。

その場合は、人工的に食い込みを作って二重を表現するためどうしても目を開く力が弱い方は食い込みをあえて作らないと二重が形成されない場合もあります。

無理やり食い込ませる固定をした二重であれば、その部分を外して、開瞼に連動した組織に二重を作る事で改善できます。

⑥左右差が目立つ

手術で左右が全く同じ形にする事ができるわけではありません。

土台となる骨格の違いや皮膚の厚みやたるみの差、眼窩脂肪の量、神経の強さなどでも左右差が生じるため、これらを調整しながら可能な限り左右を近づけます。

広い二重が気に入ってる場合は、狭い方を広い方に合わせる事で比較的容易に修正が可能です。

狭い二重が気に入っている場合は、広い二重幅を狭くする必要があるので少し手間がかかります。場合により広い二重を可能な限り狭くし、狭い二重をやや広げて中間でバランスを取る場合もあります。

⑦二重ラインが浅い

二重ラインが浅く消失しかけている場合は、二重の固定位置が悪い場合や二重ラインの上にある組織が二重ラインを押し下げて食い込ませない状態にされている場合があります。

何度手術をしても二重ラインが浅くなってしまう場合は、眼窩脂肪が多過ぎて二重ラインを押し下げてしまう可能性や逆に眼窩脂肪が少な過ぎてくぼみ目になる事で二重ラインが薄くなる場合があります。

二重ラインが浅くなった要因を評価し、その原因を除去する事でしっかりと食い込みのある二重ラインを作る事が可能です。

⑧二重ラインが複数本になっている

二重ラインが複数になってしまう原因は様々で、以下の原因が挙げられます。

1.皮膚が余っている

2.眼窩脂肪が少ない

3.眼輪筋が欠損している

4.眼窩隔膜が欠損している

5.挙筋腱膜との癒着が上手くできてない

6.二重が適切な場所で折れ返ってない

適切な皮膚の切除を行い、眼窩脂肪の移動をすることにより大半の予定外線は消失できます。眼輪筋や眼窩脂肪が欠損して不足している場合は、そこに他部位の眼輪筋を移植したり、鼠蹊部から採取した皮下脂肪を真皮付きで移植したりします。

また眼窩隔膜を適切に配置し、挙筋腱膜が入り込む位置でしっかり二重を固定できればほとんどの予定外線は改善できます。

特に予定外線の修正では前回の手術から6か月以上の期間をおいて再手術する事が望ましく、短期間での修正では予定外線が消失せず残存する可能性もあります。

⑨目が開き過ぎている、びっくり目になってしまった。

これらは基本的に眼瞼下垂手術後に起こる弊害です。開きづらい目を開くための手術としては挙筋腱膜前転という方法を用いますが、
開きを抑えたい場合は後転という方法で開き過ぎた目を下げて調整します。
麻酔で腫れた状態で下げるため下げ足らない場合や下がり過ぎてしまう危険性があります。

⑩全く目が開かなくなってしまった

過去に何度か経験がありますが、他院での手術後に全く開かなくなってしまった方もいらっしゃれば、修正手術をやってみたら挙筋腱膜が全く機能してなかった場合もありました。

こんな時は目を開く筋肉を使う事はできませんので、おでこを持ち上げる「前頭筋」を利用して前頭筋吊り上げ術を行います。

この手術を行うためには瞼と前頭筋を結ぶ強固な素材が必要なので、大腿筋膜や長掌筋腱、人工筋膜(ゴアテックス)が用いられます。

二重全切開修正の簡単な概要

手術時間およそ1.5時間から3時間程度かかります。
ダウンタイム10日から2週間で内出血の紫色や黄色みが取れ、腫れも70%程度落ち着きます。その後も腫れ感は続き約1か月後には80-90%の腫れは落ち着き、あとは3-6か月かけて残りのむくみが取れて完成します。
外に出られない期間は1週間程度です。
抜糸術後1週間
持続性半永久的
洗顔、お風呂風呂:当日からシャワー、2日目からは浴槽に浸かってもよい
、メイク抜糸後にOK

二重修正相談の際にあるといいもの

  • 手術前の写真
  • 前医にどのような二重にして欲しい相談したかの希望
  • 前医での手術記録
  • 現在の希望や理想の写真

二重全切開修正に寄せられる質問

Q
痛み、腫れ等のダウンタイムは初回と比べて変わりますか?
A


.基本的に一度手術を受けた場所を再度切る場合、前回の手術でできた新生血管などの影響で出血が多くなる傾向にあり、傷跡も固く瘢痕化しているため麻酔も効きにくい事が多いです。必然的にダウンタイムは長くなる事が予想されますが、多くの方は圧倒的に腫れが少なくダウンタイムが短かったという意見がほとんどです。麻酔は多少の痛みがありますが、その後は無痛でストレスなく手術を受けられたという患者さんが多いです。

Q
他院で受けたどの術式の全切開でも修正可能なのでしょうか?
A

自分はどんなに難しい手術でも基本的にほとんど断った事がありません。ただし、手術を受けて間もない方や皮膚が切り取られ過ぎて何もできなかった数名の方はお断りした経験があります。

条件として前回受けた手術から必ず半年以上経ってないと手術は承りません。可能なら8か月以上とお伝えしております。

Q
修正施術を受けるつもりですが、二重線の長さを短くすることもできるのでしょうか?
A

長さというのが横幅を短くする、という意味なら可能かも知れません。内側は二重のスタートが決定されているため、外側に向かって挙筋腱膜の固定を弱めていけば外側の二重の食い込みがなくなり、短くなると思います。

Q
他院で全切開をしたのですが、気に入らないのは目頭側の半分だけです。修正は全切開じゃないといけませんか?部分切開はできるのでしょうか?
A

修正は部分的でも可能です。ただしこれを部分切開とは呼ばないので、二重修正として一部の改善のみ手がける事はよくある事です。

Q
二重全切開で失敗して修正を考えています。二重修正と眼瞼下垂は一緒にできるものですか?
A

二重修正を行うとどうしても眼瞼下垂が起きる場合があります。二重修正医は眼瞼下垂手術にも精通し、二重修正の際に眼瞼下垂が生じた場合には速やかに眼瞼下垂手術で調整ができるスキルが必要なのです。そのためもちろん同時に手術する事が可能です。

Q
二重修正のついでに目頭切開と目尻切開をしようと考えてますが可能ですか?
A

可能です。目頭切開と二重切開は併用される事が多く、目尻切開も特に二重ラインに大きな影響を与える手術ではありません。ただし、タレ目形成(グラマラスライン形成)の時は当院は同時に手術をしないようにしています。韓国などでは全ての手術を同時にやっていますが、上に引っ張る二重と下に引っ張るタレ目形成がバッティングする可能性があるため、術後の形態に少しでも影響のある両者を同時にするのは控えております。